お料理のベースとなる旨みが強ければ、シンプルな味付けだけでも十分においしく仕上がります。そしてなにより塩や醤油などの塩分を抑えることもできて健康的です。またやさしい味付けの食事は、子どもたちの味覚を繊細に育てます。きちんとしたお出汁をとったみそ汁を食べ慣れた子どもたちは、だし調味料の味にトゲを感じるようになるんです。
いりこの旨みのもととなるのが「イノシン酸」と「グルタミン酸」です。イノシン酸は魚介や肉に多く含まれる旨み成分で、その量が多いほど旨みを強く感じられます。グルタミン酸は海藻や乳製品、発酵食品に多く含まれています。
いりこが含むイノシン酸の量はかつお節と同等またはそれ以上。また「グルタミン酸」はかつお節よりも多く含んでいます。
グルタミン酸を多く含む食品では昆布がダントツです。旨み成分はそれだけよりも、組み合わせることで相乗効果が発揮され、より旨みと風味が良くなることがわかっています。イノシン酸が豊富ないりこだけでも十分においしいお出汁がとれますが、グルタミン酸が豊富な昆布と合わせてお出汁をとるとよりいっそうおいしくなります。機会があれば試してみてください。