料理でよくでてくる昆布や煮干しいりこ、鰹節にはうま味成分が豊富とききますが、そのうま味成分のお話です。 日本で古くから料理に昆布だしが使用されてきました。昆布の特徴的な風味やうま味が料理に深い味わいを与えることができることが知られていました。しかし、当時はまだその味の正体や科学的な根拠が明らかにされていませんでした。 この状況に注目した東京帝国大学の池田博士は、昆布だしの味の正体を解明するための研究を開始しました。彼はまず、昆布だしに含まれる成分を分析しました。その結果、昆布にはグルタミン酸というアミノ酸が豊富に含まれていることを発見しました。
この研究によって、池田博士は昆布だしの味の正体がグルタミン酸にあることを明らかにしました。そして、その味を「うま味」と名付け、グルタミン酸が持つ特有のうま味や深い味わいを指す言葉として、日本料理や調味料の世界で定着しました。 池田博士の研究は食品化学や調味料の開発に大きな影響を与えました。彼の発見によってうま味を引き出すための技術や調味料の開発が進み、日本料理の味わい深さや独特さがさらにたかまることになりました。 今日では、うま味は日本料理だけではなく世界中の料理や食品においても重要な要素として認識されています。 うま味を引き出すための技術や知識も進化し食材なども明らかにされています。
さまざまな食品に含まれるうま味成分
料理の味を豊かにするうま味成分として池田博士が発見したグルタミン酸の他にもイノシン酸、グアニル酸があり三つとも食品に含まれている成分です。 ・グルタミン酸 昆布やトマト、キノコ、乳製品、肉類などに多く含まれ、これらの食材を調理する際にはグルタミン酸が熱によって遊離し、うま味を引き出します。味覚受容体に結合することで、うま味を感じさせる効果があります。 ・イノシン酸 特に鰹節や煮干しいりこに多く含まれ、調理する際にはイノシン酸が熱によって分解され、うま味を生み出します。 鰹節 470~700 (単位㎎/100g) 煮干し400~800 ・グアニル酸 特に干しシイタケやえのきだけなどに多く含まれ、干しシイタケなどを調理する際にはグアニル酸が水分と結びついてうま味を形成します。 イノシン酸、グルタミン酸と組み合わせることで、よりコクや深いうま味を引き出す役割があります。 これらのうま味物質は相互に作用仕合、エナジー効果を生み出します! グルタミン酸とイノシン酸を組み合わせることで、より深いうま味が得られ、まさに うま味の相乗効果です。 食材の組み合わせや料理方法によって、料理の味を豊かにし食事の満足度を高める役割を果たしています。 是非、みなさんもうま味を意識して料理してみてください(^^♪